『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』第2話では、第1話のラストで妹セリーナに「長子だけが受け継ぐはずの白の魔力」が発現したことで、リーシェットの人生が一変します。
家族に認めてもらうことを何より願っていたリーシェット。
ところが彼女に待っていたのは、出生を疑われるどころか、エルデン家から存在そのものを切り捨てられるような仕打ちでした。
雪の降る「黒の森」に置き去りにされ、食料として渡された生肉。
しかし、その肉には恐ろしい意味が隠されています。
そして死の危機に瀕したリーシェットを救ったのが、銀髪と紫の瞳を持つ青年。
その人物こそ、未来でリーシェットを「僕の家族」と呼び、エルデン公爵家へ迎えに来るルシアス・アルカディアでした。
第2話はつまり、
「家族から捨てられたリーシェットが、未来の“本当の家族”となる人物と初めて出会う回」
と見ることができます。
作品全体の結末やリーシェットが「ニセモノ公女」と呼ばれるまでの経緯は、『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』原作ネタバレ・結末まとめでまとめています。

なお、第1話で描かれたリーシェットの前世やセリーナの白の魔力について確認したい方は、『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』1話ネタバレ|リーシェットの正体と白の魔力の秘密から読むと、第2話の展開がより分かりやすくなります。
『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』第2話のネタバレ
第2話は、リーシェットにとってあまりにも残酷な事実が突き付けられるところから始まります。
第1話で妹セリーナが白の魔力を発現。
エルデン家では、この白の魔力は代々「長子」に現れるものとされていました。
つまりセリーナが白の魔力を持っているなら、
リーシェットは本当にエルデン家の長子なのか?
という疑問が生まれてしまいます。
そして、その疑問はリーシェットが想像していた以上に早く、彼女の居場所を奪っていきました。
リーシェットは「エルデン家の長子ではない」と疑われる
白の魔力をセリーナが発現したことで、リーシェットがエルデン家の長子ではない可能性が持ち上がります。
リーシェットにしてみれば、とても信じられない話です。
自分はこの屋敷で生まれ、ずっとエルデン公爵家の長女として育ってきました。
周囲の人々も当然、そのことを知っています。
ところが母親は、リーシェットを自分の娘ではないと考え始めます。
母親の中では、
本当の子供は出産時に亡くなり、使用人が別の子供を用意したのではないか
という疑念にまで発展していました。
もちろん、第2話の時点でこれが事実だと証明されたわけではありません。
あくまで白の魔力がセリーナに発現したことを根拠に、「それならリーシェットの方が偽物なのではないか」と考えられている状態です。
しかしリーシェットにとって重要なのは、出生の真相以上に、
ずっと家族だと思っていた人たちが、自分を家族として信じてくれなかった
という事実でしょう。
魔術の才能があってもリーシェットは守られない
リーシェットには魔力がありません。
しかし第1話でも描かれた通り、魔術に関する知識は並外れています。
前世が「魔術の祖」リシュミア・エルデン本人なのですから、当然といえば当然です。
リーシェットを指導してきた人物も、その才能を認めています。
ですが、エルデン家にとって重要なのは知識ではなく「白の魔力」。
どれほどリーシェットが優秀でも、
白の魔力を持つセリーナの方が“エルデン家の正統な娘”として説得力を持ってしまう
という残酷な状況が生まれます。
読者だけは、リーシェットの前世が始祖リシュミア本人だと知っています。
だからこそ、この展開はあまりにも皮肉です。
エルデン家を作った本人の生まれ変わりが、「エルデン家の人間ではない」と疑われているのです。
公爵グスタフはリーシェットを切り捨てる
第2話では、リーシェットの父親がグスタフ・エルデンであることも明示されます。
グスタフは、セリーナの白の魔力発現によって生じた問題に対し、リーシェットを守ろうとはしません。
むしろ、それまで公爵家の長女として育ててきた少女を、急速に自分たちの世界から切り離していきます。
ここは第1話で描かれた父娘関係を考えると、かなりつらい場面です。
リーシェットは前世で家族を持てなかったため、今世では家族に認めてもらうことを何より願っていました。
勉強したのも、魔術の知識を身につけたのも、
「自分が役に立てば家族に喜んでもらえる」
と思ったからです。
しかし彼女の努力は、「白の魔力を持たない」という一点で簡単に切り捨てられてしまいました。
リーシェットはなぜ黒の森へ捨てられた?
リーシェットが次に置かれたのは、雪の降る危険な森。
その名は黒の森です。
ここから第2話は、一気にサバイバル色の強い展開になります。
黒の森は魔獣が生息する危険地帯
黒の森は普通の森ではありません。
多数の魔獣が生息しており、エルデン公爵家によって管理されている危険な場所です。
一般人が気軽に立ち入れるような場所ではありません。
そんな森に、まだ子供であるリーシェットが置き去りにされます。
しかも季節は雪が降るほど寒く、リーシェットは十分な装備さえ持っていません。
第1話まで公爵令嬢として屋敷の中で暮らしていた少女が、わずか1話の間に生死を自分で守らなければならない立場へ落とされてしまいます。
リーシェットは「自分で逃げた」ことにされる?
リーシェットは黒の森へ連れて行かれながら、自分が置かれている状況を考えます。
そして気付きます。
エルデン家にとって、
「長子なのに白の魔力を発現しなかった公女」
というリーシェットの存在は、とても扱いに困るものです。
突然「本当の娘ではなかった」と発表すれば、公爵家の体面にも関わります。
だからこそ、リーシェットが自分から逃げ出したような形にしてしまえば都合がいい。
つまり、
リーシェットを表向きは“逃亡した娘”として処理し、そのまま黒の森で消えてもらう
という意図があった可能性が見えてきます。
第2話で恐ろしいのは、単純に「家から追い出された」だけではないことです。
リーシェットの存在そのものを、エルデン家の歴史からきれいに消そうとしているようにも見えます。
渡された「生肉」は食料ではなく魔獣を呼ぶための餌だった?
黒の森へ放り出されたリーシェットには、一応「食料」が渡されます。
兵士はリーシェットの前へ肉を放り、
食料だと告げます。
一見すると最低限の慈悲を与えたように思えます。
しかしリーシェットは、その肉を見て違和感を覚えます。
なぜわざわざ生の肉なのか
寒い森に子供を置き去りにするだけでも危険です。
それなのに、渡されたのは調理された保存食ではなく生肉。
リーシェットはここで考えます。
この肉は、自分が食べるために用意されたのではない。
自分が「生肉を持ったまま森を歩く」ために渡されたのではないか。
黒の森には魔獣が生息しています。
生肉の血や臭いを持ちながら森を歩けば、当然、魔獣に見つかる可能性は高くなるでしょう。
つまりこの生肉は、
リーシェットを生かすための食料ではなく、魔獣にリーシェットを見つけさせるための餌
だった可能性があります。
露骨に手を下さなくても、魔獣に襲わせれば事故として処理できます。
リーシェットを黒の森へ置き去りにした意味が、ここでさらに恐ろしくなります。
リーシェットも罠に気付く
兵士たちが去った後、リーシェットは生肉の意味に気付きます。
そして案の定、森の中から複数の魔獣が姿を現します。
紫色の身体。
異様に光る目。
大人でも危険そうな魔獣たちが、9歳のリーシェットを囲みます。
普通の子供なら、ここで完全に詰んでしまう状況です。
しかしリーシェットには一つだけ、普通の子供にはない武器があります。
前世リシュミアとしての膨大な知識です。
魔力がなくてもリーシェットは魔獣の生態を知っている
第1話では、リーシェットの前世が魔術の祖リシュミアであることが判明しました。
第2話では、その前世の知識が生存に直結します。
リーシェットは黒の森にいる魔獣についても、ある程度の知識を持っています。
エルデン公爵家が管理する黒の森
黒の森はエルデン公爵家が代々管理してきた場所。
つまり始祖であるリシュミアとも無関係ではありません。
リーシェットは現在こそ魔力を持っていませんが、前世では魔術と魔獣に関わる知識を持っていました。
目の前に現れた魔獣についても、ただ恐怖するだけではなく、
どんな生態を持っているのか
を考えながら行動します。
ここがリーシェットの強さです。
魔法で敵を吹き飛ばすことはできない。
しかし知識と判断力によって、生き残る方法を探すことができます。
それでも9歳の身体では限界がある
とはいえ、前世の知識があるから万能というわけではありません。
リーシェットの現在の身体は9歳の少女。
雪の中を走り続ければ体力を消耗します。
靴も十分ではなく、寒さも厳しい。
そして魔獣は複数います。
リーシェットは必死に逃げますが、ついには追い詰められてしまいます。
このあたりは、「転生者だから何でもできる」という展開になっていないのが面白いところです。
知識は大人以上。
けれど身体は幼い。
魔力もない。
そのアンバランスさが、リーシェットを現実的な危機へ追い込んでいます。
リーシェットは崖から転落!魔獣に追われ絶体絶命に
魔獣から逃げ続けたリーシェットは、やがて崖へ追い詰められます。
後ろには魔獣。
前には崖。
逃げ場はありません。
そしてリーシェットは足を滑らせ、そのまま下へ転落してしまいます。
「血のつながった家族」への思い
黒の森を逃げながらも、リーシェットの頭から家族のことは完全には消えていません。
前世のリシュミアは孤児でした。
だからこそ今世で、
父がいて、
母がいて、
妹がいる。
それだけでも最初は幸せでした。
血のつながった家族なら、いつか自分を愛してくれるのではないか。
リーシェットはそんな期待をどこかで持ち続けていたのでしょう。
しかし、その家族から自分は黒の森へ送られた。
しかも魔獣に襲わせる意図すら感じられる。
第2話は、リーシェットが単に屋敷を追い出される回ではありません。
「家族に愛されたい」というリーシェットの最も大切な願いが壊される回
なのです。
リーシェットの前世や、なぜこれほどまでに家族を求めているのかについては、『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』リーシェットの正体は?前世リシュミアとの関係を解説で独立して整理すると、今後のクラスター記事としてつなげやすくなります。
リーシェットを助けた銀髪の青年はルシアス
崖から落ち、魔獣にも狙われたリーシェット。
次に目を覚ました時、そこは暖かい室内でした。
頭には包帯が巻かれ、ベッドには毛布。
目の前には、銀髪の青年がいます。
この人物こそ、第1話冒頭ですでに登場していたルシアスです。
温かい部屋で目を覚ますリーシェット
リーシェットが意識を取り戻すと、最初に感じるのは暖かさでした。
少し前まで、彼女は雪の降る森の中にいました。
魔獣から逃げ、寒さと疲労で体力も失っています。
ところが目覚めた場所には暖炉があり、身体には毛布が掛けられています。
頭の怪我も手当てされています。
リーシェットは思わず、
「生きてる……?」
と確認してしまうほどでした。
それほど、黒の森での状況は絶望的だったということです。
銀髪の青年がスープを作ってくれる
リーシェットを助けた銀髪の青年は、彼女に温かいスープを用意していました。
身体が冷えていたため、まず温める必要があると考えたのでしょう。
さらに食欲があるかを尋ね、スープを差し出します。
リーシェットが恐る恐る口にすると、
おいしい。
つい先ほどまで、生肉を餌のように渡されて魔獣の中へ放置されていたリーシェット。
その直後に、見ず知らずの青年から身体を気遣われ、温かい料理まで与えられる。
この対比が非常に印象的です。
血のつながった家族はリーシェットを死地へ送りました。
一方、まったくの他人だったルシアスは彼女の命を救い、怪我を手当てし、食事まで用意しています。
第1話で描かれた未来を考えると、2人の関係の始まりとしてかなり象徴的なシーンです。
ほんわかしている場合ではないと我に返る
温かなスープを口にし、リーシェットも一瞬ほっとします。
しかしすぐに、
「和んでる場合じゃない」
と我に返ります。
当然です。
自分がどこにいるのか。
目の前の青年が誰なのか。
なぜ黒の森にいた自分を助けられたのか。
確認しなければならないことが山ほどあります。
そして青年の正体を考えたリーシェットは、ある人物の名を思い出します。
ルシアス・アルカディア。
ルシアス・アルカディアの正体は「厄災の皇太子」
第2話では、タイトルにもつながる重要人物ルシアスの正体が明らかになります。
彼のフルネームは、
ルシアス・アルカディア。
そして単なる魔術師ではありません。
ルシアスは高位の魔術師
ルシアスは高位の魔術師であり、魔獣討伐にも深く関わっている人物です。
魔獣討伐の責任ある立場に就いており、その実力は並外れています。
黒の森のような危険地帯でリーシェットを救えたのも、彼ほどの実力者だったからこそでしょう。
第2話ではさらに、ルシアスが通った場所には魔獣の死体が積み上がるほどだと説明されます。
その強大さゆえに付けられた呼び名が、
「厄災の皇太子」
です。
第1話冒頭では、エルデン公爵家へ乗り込んできたルシアスが「厄災」と恐れられていました。
第2話によって、その異名が単なる噂ではなく、彼の圧倒的な戦闘力に由来することが見えてきます。
第1話冒頭のルシアスと同一人物
ここで第1話と第2話が一本につながります。
第1話の未来では、成長したリーシェットがエルデン公爵家で拘束されていました。
そこへ乗り込み、リーシェットを取り返したのがルシアス。
そして彼はリーシェットのことを「家族」として扱っていました。
一方、第2話の2人はまだ出会ったばかり。
ルシアスにとってリーシェットは、黒の森で倒れていた見知らぬ少女です。
つまり読者はこれから、
「黒の森で偶然助けた少女が、どうやってルシアスにとって“家族”になるのか」
を見ることになります。
この関係の始まりを描いている点で、第2話は作品全体でもかなり重要な回です。
ルシアスの正体や「厄災」と呼ばれる理由は、今後公開予定の『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』ルシアスの正体は?厄災の皇太子と呼ばれる理由を解説で詳しくまとめると、非常に強いクラスター記事になります。
リーシェットが「リシー」と名乗った理由は?
ルシアスはリーシェットに名前を尋ねます。
しかしリーシェットは、本名の「リーシェット・エルデン」とは名乗りません。
彼女が答えた名前は、
「リシー」
でした。
ここも第2話で見逃したくないポイントです。
リシーはリーシェットの愛称
リーシェットは自分の中で説明しています。
「リシー」という名前自体は完全な嘘ではありません。
リーシェットの愛称として使える呼び名だからです。
ただし彼女自身、その愛称で呼ばれた経験はほとんどありません。
ここが少し切ないところです。
愛称というのは、本来なら家族や親しい人が呼ぶもの。
けれど家族との距離があったリーシェットには、「リシー」と親しく呼んでくれる相手がいなかったのでしょう。
なぜ本名を隠したのか
リーシェットが本名を言えなかった理由も理解できます。
黒の森はエルデン公爵家が厳重に管理している場所です。
そこでエルデン公爵家の娘が倒れていたと知れば、当然ルシアスは公爵家へ連絡するでしょう。
しかしリーシェットにとって、エルデン家はもう安全な場所ではありません。
つい先ほど、自分を黒の森へ捨てた相手です。
だからこそ、
「リーシェット・エルデン」と名乗ることは、自分を再びエルデン家へ送り返すことにつながる
と警戒したのでしょう。
そこで完全な偽名ではなく、自分の名前から取った「リシー」と名乗ります。
第1話では周囲から「ニセモノ」とされる可能性が示されました。
しかし第2話では逆に、リーシェット自身が生き残るために本名を隠します。
「本当の名前」「本当の家族」「本物と偽物」という本作のテーマが、こんなところにも表れているように感じます。
ルシアスはリーシェットを公爵家へ送り届けようとする
ルシアスは、リーシェットが黒の森にいたことを不審に思います。
当然でしょう。
黒の森は、子供が勝手に入り込める場所ではありません。
しかもエルデン公爵家が厳重に管理しています。
「なぜ子供が黒の森にいた?」
ルシアスから見れば、リーシェットの存在は明らかに不自然です。
子供が一人で森を歩いている。
怪我をして倒れている。
しかも魔獣が多数生息する危険区域。
リーシェットには何か事情があると考えるのが自然です。
しかしリーシェットは真相を簡単には話せません。
「私はエルデン公爵家の長女でしたが、妹に白の魔力が出たので偽物扱いされ、魔獣に食べさせるため黒の森へ捨てられました」
などと話しても、あまりにも突拍子がありません。
まして相手は会ったばかりの人物です。
リーシェットにはもうエルデン家に「居場所」がない
ルシアスと話しながら、リーシェットの脳裏には両親の姿が浮かびます。
そして彼女は考えます。
もう、あの場所に自分の居場所はない。
ここは第2話の感情面で特に重要です。
第1話のリーシェットは、どれだけ父親から冷たくされても、
「嫌われているわけではない」
「魔力が発現すれば認めてもらえる」
と希望を持っていました。
しかし第2話では、その希望が壊れています。
リーシェット自身がついに、
エルデン家は自分の帰る場所ではない
と感じ始めているのです。
それでもルシアスは公爵家へ送ろうとする
もちろんルシアスは事情を知りません。
目の前にいるのは、「リシー」と名乗った傷だらけの少女。
黒の森の近くに子供を一人で置いておくわけにはいきません。
そのためルシアスは、
リーシェットをエルデン公爵家へ送り届けよう
と考えます。
善意としては当然の判断です。
しかし読者は知っています。
そこはまさに、リーシェットが命懸けで逃れてきた場所だということを。
第2話は、
「命を救ってくれたルシアスが、善意からリーシェットを最も戻りたくない場所へ送り返そうとする」
という緊張感のあるところで次へ続きます。
第2話で分かったルシアスとリーシェットの関係を考察
第2話を読むうえで最も面白いのは、第1話冒頭の未来を知っていることです。
現在の2人は完全な他人。
未来の2人は「家族」。
この差を意識すると、第2話の何気ない場面もかなり意味深に見えてきます。
家族はリーシェットを死地へ送り、他人のルシアスが救った
第2話の構図を一言で整理すると非常に分かりやすいです。
血のつながった家族
→リーシェットを黒の森へ送る
初対面のルシアス
→リーシェットを助け、手当てし、温め、食事を与える
この対比は偶然ではないでしょう。
第1話から繰り返されているテーマは「家族」です。
前世で孤児だったリーシェットは、家族という存在そのものを強く求めています。
しかし実際に彼女を守ったのは、家族ではありませんでした。
第1話の「僕の家族」につながる最初の一歩
第1話冒頭でルシアスは、成長したリーシェットを「僕の家族」として迎えに来ています。
第2話の段階では、彼はまだリーシェットの本名さえ知りません。
それどころか「リシー」という名前で認識しています。
それでも彼は、
怪我を治療し、
寒さから守り、
食事を作り、
安全な場所へ送り届けようとしています。
ルシアス本人にとっては、ごく自然な行動なのかもしれません。
しかしリーシェットにとっては、
家族から一度も十分にもらえなかった種類の優しさ
だったのではないでしょうか。
この積み重ねが、未来の2人の関係へどうつながっていくのかが非常に楽しみです。
第2話で注目したい4つの伏線
第2話には、今後につながりそうなポイントがいくつもあります。
1. リーシェットは本当にエルデン家の実子ではない?
白の魔力がセリーナに現れたことで、リーシェットの出生そのものが疑われています。
しかし現時点では、
「母親がそう疑っている」ことと「実際に血がつながっていない」ことは別問題
です。
白の魔力の継承条件に別の秘密がある可能性もあります。
リーシェット側ではなく、セリーナ側に秘密がある可能性もあります。
そのため「リーシェットは偽物」と今の段階で断定するのは早いでしょう。
2. なぜリーシェットには魔力が発現しない?
リーシェットの前世は始祖リシュミア本人。
それなのに現世では、魔力が発現していません。
一方、妹セリーナにはリシュミア由来とされる白の魔力が現れました。
この矛盾は、作品全体の根幹に関わる謎になりそうです。
3. ルシアスはなぜ黒の森の近くにいた?
ルシアスは魔獣討伐に関わる高位魔術師です。
そのため黒の森付近にいたこと自体は不自然ではありません。
しかし結果的に、
リーシェットが死ぬはずだった場所にルシアスが現れた
ことになります。
この出会いが偶然なのか、今後別の意味を持つのかも気になります。
4. 「リシー」という名前は今後2人だけの特別な呼び名になる?
リーシェットは、本名を隠すために「リシー」と名乗りました。
しかも本人によればリーシェットの愛称でありながら、実際にはほとんどそう呼ばれたことがありません。
もし今後ルシアスが彼女を「リシー」と呼び続けるのであれば、
家族すら使わなかった愛称を、ルシアスだけが使う
という関係になる可能性があります。
第1話の「僕の家族」という未来まで考えると、小さな呼び名にも意味が生まれてきそうです。
『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』第2話の疑問Q&A
リーシェットはなぜ家から追い出された?
妹セリーナに、本来「長子だけ」に現れるはずの白の魔力が発現したためです。
リーシェットが本当にエルデン家の長子なのか疑われ、母親は出生時に子供が入れ替えられた可能性まで考えています。
ただし、第2話時点ではリーシェットが実子ではないと確定したわけではありません。
リーシェットが渡された生肉にはどんな意味がある?
表向きは食料として渡されました。
しかしリーシェットは、生肉を持って歩かせることで黒の森の魔獣を引き寄せ、自分を確実に襲わせるためだったのではないかと気付きます。
黒の森とは?
エルデン公爵家が管理している、魔獣の生息する危険な森です。
一般人、まして子供が簡単に立ち入るような場所ではありません。
リーシェットを助けた銀髪の男は誰?
ルシアス・アルカディアです。
高位の魔術師で、魔獣討伐に関わる実力者。
その圧倒的な強さから「厄災の皇太子」と呼ばれています。
リーシェットはなぜ「リシー」と名乗った?
「リシー」はリーシェットの愛称です。
完全な偽名ではありませんが、本名とエルデン家との関係を隠すために使ったと考えられます。
ルシアスはリーシェットの正体に気付いている?
第2話時点では、リーシェットがエルデン公爵家の娘だとは知らない様子です。
黒の森で見つけた少女「リシー」として接しています。
第2話の最後はどうなる?
ルシアスは、子供を黒の森付近へ置いておくわけにはいかないと考え、リーシェットをエルデン公爵家へ送り届けようとします。
しかしリーシェットにとってエルデン家は、自分を黒の森へ捨てた相手。
ここからどうやって帰還を避けるのかが、第3話への大きな引きになっています。
『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』第2話ネタバレまとめ
『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』第2話では、第1話で示された「ニセモノ公女」という未来につながる出来事が、本格的に動き始めました。
今回のポイントを整理すると、
- セリーナに白の魔力が発現したことでリーシェットの出生が疑われる
- 母親はリーシェットを自分の実子ではないと考え始める
- 父グスタフもリーシェットを守ろうとしない
- リーシェットはエルデン家から切り捨てられる
- 魔獣が生息する黒の森へ置き去りにされる
- 渡された生肉は魔獣を引き寄せる罠だった可能性が高い
- リーシェットは魔獣から逃げるものの崖から転落
- 銀髪の青年に助けられる
- 青年の正体はルシアス・アルカディア
- ルシアスは高位魔術師で魔獣討伐に関わる実力者
- 「厄災の皇太子」と呼ばれている
- リーシェットは本名を隠し「リシー」と名乗る
- ルシアスは彼女をエルデン公爵家へ送り届けようとする
という展開でした。
第2話で特に重要なのは、
リーシェットが家族を失ったその日に、未来で自分を「家族」と呼ぶルシアスと出会った
という構図です。
前世からずっと家族を求めていたリーシェット。
今世では、ようやく手に入れたと思った家族に愛されるため、必死に努力していました。
しかし白の魔力がセリーナに現れた瞬間、その家族はリーシェットを信じるどころか、危険な黒の森へ送り出します。
一方、初対面のルシアスは彼女を救い、
怪我を治し、
身体を温め、
スープを作り、
安全な場所へ戻そうとします。
血のつながった家族がリーシェットを捨て、血のつながっていないルシアスがリーシェットを救う。
第1話の未来でルシアスがリーシェットを「家族」と呼んでいたことを考えると、これは非常に重要な対比でしょう。
そしてもう一つ気になるのが、
「リシー」
という名前です。
家族から呼ばれたことすらほとんどないリーシェットの愛称を、最初に知ることになったのがルシアス。
この呼び名が今後2人の間で特別な意味を持つようになるのかにも注目です。
次に待っているのは、ルシアスから「公爵家へ送り届けよう」と言われたリーシェットの選択。
正体を明かせば、再び自分を捨てた家族のもとへ戻される。
しかし本当の事情を隠したまま、ルシアスのもとに留まることも簡単ではありません。
家族を失ったリーシェットが、ここからどこを自分の居場所にしていくのか。
第2話は、物語の本当の始まりともいえる回でした。
リーシェット、セリーナ、白の魔力、ルシアスとの恋愛や物語全体の結末については、『厄災の皇子はニセモノ公女をご所望です』原作ネタバレ・結末まとめでも詳しく整理しています。
